キミと恋に落ちる可能性
「…佳乃。ここなんだけど、──」
ヒナタはあまり良くない顔をしながらも、前期の仕事が残っているらしく佳乃先輩に話しかける。
「あの、いつもあんな感じなんですか?」
「あんな感じって?」
「だってみんなの前では王子様キャラやってるじゃないですか」
あたしは翔太先輩にコソッと小声で聞いてみた。
だって、いつもあんなに王子様みたいにしてるのに、ここではこんな俺様だし。
「ああ、華乃ちゃんは本当の陽空知ってるんだもんね。そうだよ。ここではいつもこんな感じ」
「へぇ…」
ココでは本性出してるんだ…。
そりゃ、そうか。
だってここにいる時間は長いわけだし、いつも猫かぶってたら流石のヤツだって疲れてしまうだろう。