キミと恋に落ちる可能性
「分かってないなー。さっきからずっといろんな人に見られてるんだよ?」
「え?怖っ」
バッと周りを見渡す。
だけど、あたしを見てそうな人はいない。
やっぱり美樹は自分を見ている人を見ただけなんじゃない?
「やっぱり、ないよ」
「鈍いなぁ。ま、いいや。行ってくる!」
そうして美樹はあたしの焼きそばと、美樹のフランクフルトを買いに旅立った。
あたしはひとりぽつんとパラソルの下で待機中。
寂しい……。
こんなことなら美樹について行けばよかった。
太陽の光に反射して瑠璃色に輝く海をボーッと眺めていると、遠くから騒がしい声が聞こえた。
そちらを見てみると、もう見慣れた女子たちの人だかりができていて、あの中心部にはヒナタがいることを悟る。