キミと恋に落ちる可能性
もしかしたら、ヒナタはもうそっちに行ったのかも。
「わかりました。行ってみます」
あたしは彼女にそう言って、ヒナタが呼んでいるという岩場に足を運んだ。
正直、ヒナタが臨海学校中にあたしに用なんて考えられないんだけど。
それでも呼ばれているのなら行かなければならない。だって、あとから何言われるかわからないし。
用が済んだらすぐに戻るつもりだけど、念の為 美樹にメッセージを送っておく。
『ヒナタに呼ばれたっぽいからちょっと行ってくるね』
これでよし。
あたしは岩場に向かう足を早め、割とすぐに到着した。
時間にしておよそ3分ぐらいだったと思う。
到着したはいいけど、ヒナタの姿はどこにも見当たらなかった。
「おーい。ヒナター。来てやったよー」
たぶん有り得ないと思うけど、隠れてたりするんじゃないかと思い大声で呼んでみる。
当たり前だけど、返事はなかった。