キミと恋に落ちる可能性
とうとう我慢の限界に達したあたしは、リビングを去ることにした。
もちろん適当な理由をつけて。
「入学までの課題の間違えたところを復習しておきたいのであたしはこれで失礼しますね」
この時、すごく残念そうに感情を込めて言うのがポイント。
「ハナノちゃん、偉いわね!!
また今度、ゆっくり話しましょ?」
ほら、ちゃんと真紀さんが別れの言葉をくれた。
感情を込めてなかったりすると、まだいいじゃない、とかなんとか言われて止められるに決まってる。
「はい、また話しましょう!」
これでこの場はトンズラだ。
ラッキーと喜ぶあたしは気づいていなかった。
ここに悪魔がいたことに……。