キミと恋に落ちる可能性



コンコンとノックする音が聞こえて、どうぞと言うと、ぞろぞろと5人ほどの俯き加減の女の人たちが部屋に入ってきた。


その中には、あたしに"ヒナタが呼んでいる"と言っていた子もいた。

やはりあたしは嵌められていたんだろう。


顔を見てみると、みんな目はウサギのように真っ赤になっているし、化粧は涙で落ちかけていてアイラインでパンダ目になっているし、ファンデーションは涙が通ったところだけ落ちている。


「…佐藤さん、あの…私達…」

「……、」

「「ごめんなさい!!」」


頭を下げる彼女たちをあたしはただじいっと見ていた。


「軽い気持ちだったの…。あなたが陽空くんと仲が良く見えて…ちょっと怖がらせようと思って…。こんなことになるなんて思ってなかった」

「謝って済むことじゃないのはわかってるの。
でも…、ごめんなさい!」


ボロボロと涙を流し、謝り続ける彼女たちを痛々しいなと思った。



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