キミと恋に落ちる可能性
涙を堪え、あたしに縋るように見る彼女たちの目をを真っ直ぐ貫くように見る。
彼女たちはきっと先輩。ヒナタのことを"くん"付けで呼んでいたから。
だけど、先輩だからと言って引くわけにはいかない。
「あたしには許すことはできません。
…だから、先輩方もあたしのことは認めなくてもいいですよ」
「あなた何言ってっ…」
「だって先輩方はあたしのこと、好きじゃないでしょう?あたしだって、先輩方のことすきじゃありません」
「っ?!」
あたしの言ってることはぶっ飛んでいるのだろうか。先輩たちはその真っ赤な目を見開いていた。
でも、これが本心だから。
「…いつか、先輩方があたしを認めてくださる日が来たら…、きっとあたしも先輩方を許すことが出来る日になると思います」
だからその日まで…。
「今はまだ許しません」
あたしが言い切ったのを聞いて、先輩たちのリーダーであろう中心にいた人が見開いていた目をゆっくりと戻し、フッと自嘲的に笑った。