キミと恋に落ちる可能性



「“へ?”じゃねーよ。何してんだよ、マジで」

「…ヒナタが呼んでいるって聞いたから、行かなきゃシバかれると思って…」


小声で言い訳を並べれば、ヒナタはあからさまに溜め息をついた。


「アホか。俺はいつも自分で呼びに行ってるし、人に頼むぐらいならメッセージ送る。何のためにスマホ持ってるんだよ」

「…ごもっともです」


合わせる顔がなくて、顔を伏せる。

なんでいつもこうなんだ。ヒナタに論破されてしまう。




───────ギュッ



「…え…、」

あまりにも驚きすぎて、声も掠れた。

一瞬のうちにメガネを急に外されたと思えば、あたしはヒナタの胸にすっぽりと包まれていた。

いや、胸に顔を押し付けられたと言った方が正しいかもしれない。

ヒナタの細いのに程よく筋肉質な体つきがやけに男らしく感じる。



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