キミと恋に落ちる可能性



「僕がハナノの課題、手伝おうか?」


──…は?


崩れ掛けた笑顔をギリギリのところで耐え、平然を偽る。



「大丈夫だよ〜。単なる復習だから!
自分でできる」



来るな!とアイコンタクトするけど、
……コイツ、絶対面白がってやがる…。



「でも、躓いたところは今のうちにクリアしておかなきゃ」


「そうよ、ハナノ。せっかくだからヒナタくんに教えてもらいなさい。
ヒナタくん、学年トップの成績で生徒会長なんですって!」



ま、ママまで……。

断る理由も思いつかない。



「じゃ、じゃあお言葉に甘えようかな」


リビングを脱出して、奥の階段を登るあたしたちの背後からヒナタを絶賛するママの声と真紀さんの笑い声が聞こえた。




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