キミと恋に落ちる可能性
───ガチャン
あたしの部屋の扉が閉まる音がすれば、
まるで魔法が解けたように、ヒナタのさっきまでの笑顔が消えた。
栗色でサラサラの髪、くっきりとした二重まぶた、アーモンド型の瞳。
真顔になった彼は人形みたいに綺麗で、その瞳の奥に吸い込まれそうになる。
「あー、だる。あんな親たちの話に付き合ってられるかよ」
こんなムードのない言葉を発しなければの話だが。
「あの、あたし勉強なんてしないから」
「あ?そんなの知ってる。俺、手伝う気なんてサラサラないから」
いや、威張るなよ。
一人称が"俺"に変わってるし。
ツッコミたいのは山々だけど、言い合いになっても嫌だしやめておいた。
あたしってば大人!!