キミと恋に落ちる可能性
と言っても人前だからヒナタは傍から見れば、キラキラ輝かしいスマイルでいるのだけど。
それでも、あたしや佳乃先輩のように普段から一緒にいる人には怒っていることは丸わかりだった。
「…ハナノ」
「はっ、はい?」
いつもよりワンオクターブ低いヒナタの声はやけに耳に入ってきて、その声と整ったその綺麗な笑顔に恐怖さえ感じ、声が裏返ってしまった。
「帰ろうか」
「う、うん」
肝心な時に限って、幼なじみの心というものは読めないものだ。
今だって、今こそ、ヒナタの心が読みたいというか、わかりたいのに、全くわからない。
ヒナタも佳乃先輩も、二人は今何を思っているのだろう…。