キミと恋に落ちる可能性
中学校の中でも仲の良いカップルランキングトップ3に入るぐらいだったと思う。
だからあたしたちが付き合っていたのは有名だったし、別れた時は物凄い早さで別れたという噂が飛び交った。
あたし自身も信じたくなくて、すごくショックだった。
「…実は、あの日の朝に華乃の幼なじみ、櫻井先輩に会って、俺すげえ不安になっちゃって」
「え」
「華乃の隣にはこんなに良い男がいるのに俺でいいのかな、って」
「……、」
「だから、あの時の俺にはそれしか選択肢を考えられなかった。自分でもバカなことしたってわかってる。未熟だったって。でも、もう一度チャンスがあるなら、絶対華乃を幸せにする」
「亮君…」
「華乃、俺と付き合ってください」
じわり、じわりと亮君の言葉があたしの心に染みていく。あの日の悲しみが癒されていくようだった。