キミと恋に落ちる可能性
あたしがひとりで悩んでいると、二人のお母さんらしき人たちが現れて、「ひろー、ゆうかちゃーん、帰るよー」って言うから、単なるあたしの勘違いだとわかる。
だって"ひろ"なんて名前の人、知らないもん。
考えすぎだったんだ。
そう思ってみるけど、引っかかる部分はまだあった。
「…華乃?」
「へっ?!」
「さっきから呼んでたんだけど。ボーッとして、どうしたの?」
「いや…なんでもない。ごめん!」
「…別にいいけどさ」
不思議そうな顔をしたかと思えば、亮君はまじまじとあたしの顔を見つめ始めた。
「え、な、なに?!」
「…メガネ。この間掛けてたよね?」
「あ、ああ〜。」
この間は制服だったから掛けてただよね。一応学校の行事の一環だから制服じゃないといけなかったから。
あたしの中で制服にはメガネっていうのが定着してしまって、制服の時はいつも掛けている。
ヒナタもいたしね。