キミと恋に落ちる可能性


でも今日は私服だから掛けてなくて、亮君が不審に思うのも無理はない。


「なんかヒナタに掛けてろって言われたの。酷い顔を晒すなだって。最低だよね、本当に。」

最初はあたしの意思で掛けていたけど。

意外とヒナタに言われたことはかなりズシンと重りになっている。

今までデブだの、色気がないだの言われてきたけれど、根本的な顔について言われたのは割とショックだった。

だって、デブとかは努力すれば変えられるけど、顔はそうそう変えられるもんじゃない。

まあ別に、あたしはこの顔は両親から受け継いだものだし、不満はない。


あたしがゴチャゴチャと考えていた間、亮君が無言なことに気づいて、パッと見てみれば難しい顔で亮君も考え事をしているみたいだった。


「どうしたの?」

あたしが声をかけると我に帰ったように笑顔になってこう言った。




───「最後に遊園地に行ってもいい?」


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