キミと恋に落ちる可能性

「亮君にはもっと素敵な人がいるよ」

「はは。どうかな」

無神経かもしれないけど、本当にそう思ってる。

亮君はカッコイイし、性格だって良いんだから。


「…亮君。あのね、」

最後にこれはあたしが伝えておきたかったこと。


亮君が分かれる時に言った言葉がずっとずっと、心に残っていた。

"あたしに好かれてるっていう自信が持てない"という言葉が。


「あたし、亮君のこと大好きだった」

「っ！！」

「すごくすごく好きだった。どうしようもないぐらい大好きだった」

今はもう違うけど、あの時は紛れもなく亮君が好きだった。この気持ちだけは本物だった。


「華乃って酷いよね。フッたあとにこんなこと言うなんて」

「……、」

「華乃の気持ちがよくわかった。俺も好きだった。だからこそあの時は気持ちが華乃のわからなかった」

「…うん」

そうだよね。あたしだってそうだった。

モテている亮君の彼女である自信は持てなかった。不安だった。