キミと恋に落ちる可能性


ヒナタがマイクを握ればたちまち歓声が上がる。それはまるでアイドルのコンサートのような嬉々とした声。


「櫻井せんぱーい!!」「きゃー!素敵!!」


相変わらず人気ですこと。

ヒナタはあたしの幼なじみなのに。あたし以外にもこんなたくさんの人がヒナタの存在を認めてる。

胸の中にモヤモヤが溜まっていくのを感じた。


そしてマイクは佳乃先輩、翔太先輩たちの手に渡り、和樹くんの次はあたしの番になった。


「こんにちは。生徒会初期の佐藤 華乃です!
精一杯盛り上げたいと思いますので、どうぞよろしくお願いしますっ!!」


自己紹介を言い終えて全校生徒たちの顔を見てみたら、ぽかんと『誰?』っていう顔をするから、メガネをしていないことを思い出した。

そういえばこの学校に来て、一回もメガネを外したことがなかったからなあ。


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