キミと恋に落ちる可能性


サラリーマンのスーツの背中がグイグイとあたしドアへを押し付ける。

いつも前に立ってるのはヒナタなのに…。



あ、ヒナタが……。


もしかして、ヒナタがいつも守ってくれていた…?


もしかして、あたしが押し潰されないようにいつも前に立って守ってくれてたの…?


…なんでずっと気づかなかったんだろう。


きっとヒナタはいつもあたしを守ってくれてたんだ。


どこまででもカッコよすぎるんだよ、ヒナタは。


だめだ、大好き。



* * *


「おはよー」

「おはよう、ってどうしたの?クマすごいけど?!」

「昨日は寝付きが悪かったから」


誤魔化すように、ははっ、と笑ってみた。

すると、美樹はカバンから化粧ポーチを取り出してコンシーラーでクマを隠してくれた。



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