キミと恋に落ちる可能性
佳乃先輩の他にすごく美人な人がいたとか?
そういえば、幼なじみなのにヒナタの好みなんて全く知らない。
「それが去年の夏の終わり頃。
…ねえ、華乃ちゃん。なにか気付かない?」
「なにか、ですか?」
特に何も思うことは無いのだけど。
わからない、と眉をひそめれば、佳乃先輩は少し笑った。
「華乃ちゃんってば、鈍感!
去年の夏、華乃ちゃんは何してたの?」
「去年の夏…」
去年の夏は、まだ亮君と付き合ってて、夏祭りに行って…。
「えっ?!」
「気付いた?
華乃ちゃんがこの学校に入学するって浮かれてたのは誰?
華乃ちゃんの知り合いってアピールするためにわざわざ華乃ちゃんの教室に行ったのは誰?
華乃ちゃんに変な虫が付かないようにって生徒会にいれたのは誰?
華乃ちゃんが困ってると助けに行くのは誰?」
まさか、そんなはず…。
「華乃ちゃん、もっと陽空を見てあげて。
華乃ちゃんの気持ちを陽空に伝えてあげて」
「でも、ヒナタは、だって!」
「だって、じゃないでしょ?華乃ちゃんは陽空が好きなの?どうなの?」