キミと恋に落ちる可能性
あたしは佳乃先輩と別れ、カフェを出た。
冷たい風があたしの頬を撫でる。
「ヒナタのところに行かなくちゃ」
早くヒナタに会って話したい。
気持ちを伝えたい。
たとえ佳乃先輩が言っていたことが違ったとしても、ヒナタを好きになったのは間違いではないから。
ヒナタ、待ってて!
気がつけば息を切らして走っていた。
今日は何も無い日だから、ヒナタは家にいるはず。
お願い!家にいて!
そんなことを考えているうちに、あっという間にヒナタの家の前について、息を整えインターホンを押す。
押す時の躊躇いは一瞬も無かった。
───ピンポーン
チャイムの音がヒナタの家の中で響いているのが聞こえる。