キミと恋に落ちる可能性



だからさっきまで軽く後ろに結んでいた髪の毛は下ろして、パッツンの前髪を整えた。


これでだいぶ印象が変わったはず。



元々髪の毛の色が真っ黒のあたしはこの格好だと完全に地味なんだけど……


まあ、ヒナタナシの学校生活を送るためにはこれしかないのだ。




これで新しい日々を過ごせる。


あたしはルンルン気分で学校に向かったのだった。





* * *



1年4組というプレートがある教室。

それがあたしの教室らしい。



学校に着いたのは早い時間なのだけど、
入学式とあって早く来ている人が多く、クラスの半分はもう埋まっていた。



『佐藤 華乃』そう書かれたシールが貼ってある机を探す。



あ、ここだ。



その席にカバンをポンッと置くと、隣の席に座っていた女の子が笑いかけてくれた。


か、かわいい……。



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