キミと恋に落ちる可能性
「俺は気付いてたっすよ。…けど、」
「けど、なんだよ?まさか、華乃ちゃんが好きだったとか?」
「違うっすよ。…まあ、あながち間違いではないけど」
和樹くんは何かボソリと呟いたけれど、何を言っていたのか、あたしにはわからなかった。
「じゃあ何なんだよ」
「あの、生徒会役員って"恋愛禁止"じゃなかったっすか?」
「あ!」
そうじゃん!恋愛禁止ってヒナタに言われて、あれだけ釘を刺されて…!
だけど今、言った張本人とバリバリ恋愛しちゃってんだけど!
「ひ、ヒナタどうすんの!」
「何焦ってんだよ。そんなの普通に廃止すればいいだろ」
「普通に…?」
いや、何言ってるのこの人。
そんな簡単に廃止できちゃうものなの、これ?
「もともと、前の生徒会長が勝手に作ったものだ。校則じゃないし、すぐに廃止ぐらいできる」
じゃあ、最初から廃止しろよ!!って思いは胸の中に留めておいておく。
また喧嘩になるのは目に見えてるしね。