キミと恋に落ちる可能性
ニコニコと笑う美樹にあたしは反論する気にもなれず、アホ面のままヒナタの話を聞いた。
ヒナタの話はいたって普通かつシンプル。
楽しい学校生活を送るように、ってことと、生徒会が盛り上げる行事の軽い説明。
生徒会長としていたって普通の話だ。
ごく“普通”の。
しかし彼が話すと魔法がかかってしまうらしい。
《さすが陽空様ーーーっ!!》
《2年間よろしくお願いしますぅ!》
煩いほどの歓声に思わず顔を歪めてしまった。
どこぞのアイドルだよ。
「なんでアイツなんかが…」
あたしの呟きは女子の歓声に紛れて消えた。