キミと恋に落ちる可能性



女子たちの中心部に立っているのは予測通り………



────ヤツだ。




櫻井 陽空




ヤツはキラキラスマイルで女子たちに応えているが、問題は何故ここにいるか、だ。




まあ、何故ここにいるかも大体予測がついてるが。



朝逃げたあたしを捕まえるため。




中学校の時もそんなことがあったから間違えないだろう。




だけど、あたしも成長してる。

同じ方法で捕まるなんて思うなよ!


あたしは中学生の頃のようには捕まらない。


それに、せっかく変装までしたのに捕まるわけにはいかない。




「華乃!私たちも櫻井先輩と話せるかも!!」


あたしは、ヒナタのところへ今にでも飛んでいきそうな美樹の横にあるカバンを急いで掴む。



「ごめん、美樹!用事思い出した!!
ヒナタには1人で話しかけてっ!」



そしてそのまま教室を飛び出した。





「華乃…“ヒナタ”って…やけに親しい呼び方ね……」



美樹にバレかけていることも知らずに。





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