キミと恋に落ちる可能性
「ああ出来たよ、友達。だから……」
「あ、そ。じゃ、明日の朝、逃げんなよ」
あたしの話は遮って自分の言いたいことだけ言って去っていくヒナタ。
ありえない。
あたしは“だから……”のあとに続けようと思っていた言葉を、去っていくヒナタの背中に向かって叫んだ。
ありったけの声を出して。
「だから!高校では関わんないでーーっ!」
この声が彼の耳に届いたかはわからないけど。
はぁ。本当に彼のような幼なじみを持ったあたしは大変だと思う。
* * *
「はい、説明してください」
「え、何を?」
放課後、約束通りあたしは美樹とカフェに来ていた。
「何を?、じゃないわよ!櫻井先輩とどういう関係なの?」
「…ブホッ」
予測していなかったヒナタの名に思わず口に含んでいたミルクティーを盛大に吹き出してしまった。