キミと恋に落ちる可能性
「うわっ!華乃きったない」
「ごめ、だって急に変なこと言うから」
紙ナプキンでテーブルを拭きながら、あたしは大いに焦っていた。
な、なんでバレてんの?
「な、なんのこと?」
「とぼけない!櫻井先輩と知り合いなんでしょ?櫻井先輩のこと、ヒナタって呼んでるみたいだし?お昼にふたりで抜け出すし」
抜け出すって……
ちょっと人通りの少ない廊下に呼び出されただけじゃん。
「いいから、白状しなさい!」
「…あたしとヒナタは幼なじみなの」
渋々あたしは答えた。
いつかは伝えてるつもりだったし、美樹になら伝えても……いいかなって。
「さ、櫻井先輩の幼なじみ?!」
「…うん」