キミと恋に落ちる可能性
「なんかあったらひたすら逃げる。で、私に連絡する。わかった?」
「うん、頑張るね」
「頑張りなさい」
お姉ちゃんみたいだと、そう思った。
叱ってくれて、心配してくれて、励ましてくれて。
親友以上のそんな存在。
“ありがとう、これからもよろしくね”
心の中で呟いた。
* * *
「別れよう」
「…え」
「だから、僕たち別れよう」
昼休み、顔を合わせるなり告げられた別れ。
あたしが別れを告げようと思っていたから拍子抜けしてしまった。
「あのさ、華乃ちゃんはガード固すぎなんだよね。僕、もうちょっと軽い子がいい」
「…、」
何も言えなかった。
じゃあ最初からあたしとはそういうことを目当てに付き合ったってこと?
じゃああたしは“軽くヤれそうな女”に見えてたってこと?
今までの健二くんのイメージがガラガラと崩れていく。