キミと恋に落ちる可能性
『ふふふ。楽しみ〜!
あ、もうこんな時間。ご飯作らなきゃ!
また話聞くね、華乃!!』
和花の家は両親が海外出張でほぼ1年、ひとりで暮らしている。
だから自分でご飯を作らなくてはいけないみたい。
「またね、和花」
あたしは電話を切って、後ろにあったベットに倒れこんだ。
ボフッと柔らかい布団が私を受け止めてくれる。
このまま寝てしまいたい…。
そしてどうか今の状況が夢であってほしい…。
ってそれは無駄な期待でしかないけど。
「ハナノー!ヒナタくんたちが来たわよー。降りてらっしゃい」
一階からママがあたしを呼んだ声が聞こえて一気に目が冴える。
あたしはまた出そうになったため息を飲み込んで立ち上がった。