キミと恋に落ちる可能性




“ねえ。私、順位上がった!” “俺、今回バイトで勉強あんまりできなかったんだよ” “1位分落ちちゃった…”


そんな嫌でも耳に入る周りの声で緊張が高まり、ゴクリと唾を飲み込んで自分の名前を探し始める。




30…29…28…27…ないなぁ…


19…18…17…



「華乃!!あったよ!!あそこっ!!」


「えっ!」


隣の激しく興奮した声につられ、見えたあたしの名前は…



「さ…んい…」



3位 佐藤 華乃



目をこすってみても、頰っぺたをつねってみても変わらないその文字は事実を示していた。



「嘘…」


「3位なんてすごいじゃん!!櫻井先輩のおかげだね!」


「そう…だね…」



ヒナタには本当にお世話になった。


珍しく感謝の気持ちが浮かび上がる。




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