キミと恋に落ちる可能性



移動中、いつの間にやらガッチリと腕を掴まれていて逃げられないようになっていた。

そんなことしなくても逃げないよ。

どうせヒナタには敵わないんだから。



そして連れられて辿り着いたのは……、



────生徒会室、だった。




「で、用は何?わざわざ生徒会室まで連れて行かなくても良かったのに」

「こっちの方が落ち着いて話せるだろ?」


そこにはさっきまでの営業スマイルのヒナタはいなくて、いつものヒナタがいた。

あたしにはこっちの方がいつも見ているから落ち着く。



「単刀直入に言う。お前、生徒会に入れ」

「…へ?」


彼の発言はあたしの予想範囲を遥かに超えていた。

おかげで間抜けな声が出たじゃないか。


だけど、もしかしてお弁当に変なものが入ってたのでは?という心配は晴れて消えたため、少し安心。



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