キミと恋に落ちる可能性



別にあたしはヒナタと一緒なこと自体は嫌ではない。

ちょっかいかけられたり、パシられたりすることにはもう慣れているから。


ただ問題はヒナタファンからの目が痛いのだ。

入学早々ヒナタに呼び出しをくらったあたしは、ヒナタファンの中でもブラックリスト入りを果たしたらしい。


「でもハナノ。お前、さっき“いいよ”って言ったよな?一回オッケーしたよな?」

「っうぐ…」

「自分が言ったことにも責任が取れねえのか?」


ヒナタはあたしを煽るように言う。

喧嘩売ってるよね、コイツ!

本当ムカつく!


「やるよ、生徒会!やればいいんでしょ?」

「ふーん。じゃ、後期の間よろしくな。ハナノちゃん」


にっこりと王子様スマイルをあたしに向けて、ヒナタは颯爽と生徒会室を出ていった。


あたしが思い通りに動いてヒナタはほくそ笑んでいるに違いない。


これ以上ヤツの思い通りに動いてたまるか!!



毎回そう思うのに、毎回ヒナタの思い通りになってしまう。

またそんなことが起きそうな気がしてる。




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