初恋のお兄さんと私
うちのお父さんはサラリーマン。お母さんは知り合いの服屋さんでパート。
阿久津家のお父さん、顕(アキラ)さんは、社長であるお母さん蓉子(ヨウコ)さんの秘書らしい。
穏やかな性格で、お父さんとも飲み友達で、蓉子さんが忙しいとよくうちに来てお父さんと晩酌してる。
蓉子さんはファッションブランドを立ち上げたキャリアウーマンだった。
うちが新築間なしで引っ越してきて、そのひと月遅れで引っ越してきた。
お母さんが、蓉子さんの服を気に入って持っていたことがきっかけで、親しくなったみたいだ。
近所に友達がいなかった私は、優しいお兄ちゃんにすぐなついた。
時間があればうちに来て遊んでくれた。