初恋のお兄さんと私
彼氏
携帯のラインにメールが届いた。
中学のときの親友の松永聖(マツナガショウ)くんだ。
その名前に反応した。
うそ。聖ちゃん!?
『久し振り。近くに来てるんだ。今日、会えない??』
とある。
『うん!!行く!!どこにいるの!?』
家で籠っていても気分は晴れない。ちょうどよかった。
『じゃあ、いつもの場所で』
いつもの場所、というのは、当時二人でよく行ったファストフードの店だった。
中学生は寄り道をしてはいけない校則だったけれど、私服で行く分には見逃してくれた。
人目につきそうな通学範囲は避けたし、優等生だった二人が会っているのはバレてなかったはずだ。
私は思い切りおめかしした。
普段はTシャツにパンツスタイルが多い。けれど、薄いニットのアンサンブルに白いスカートを履いた。
髪をとかし、ハーフアップにし、薄いリップを塗ってサンダルを履いた。
いっそあいつに見せつけられたら仕返しできるのにと。