初恋のお兄さんと私
始業式の場で、また新たな情報を知る私。
「三年二組の担任を受け持つ、阿久津顕奘。ちなみに剣道部顧問も受け持つ。よろしく」
な、なんですと!?
聞いてないっすよ!?
私が聞いたのは、この学校に赴任してくるってところまで。
舞い上がりすぎて、聞くことも気付かないまま、忘れたままずっとバタバタしてて。
これじゃあ24時間365日、コンビニより一緒じゃないですか!?
嬉しいような、恐ろしいような。
教室に帰ると、なんとなく静まり返った。こそこそと話す女子。
「そこ、静かに!!」
冷たく言い放つ。
ビクリと姿勢を正す。
「さっきも言ったが俺はビシビシいく。授業以外の質問は受け付けない。以上」
そして、名簿で点呼して生徒を照らし合わせた。
HRの最後には一人ずつ確認した。もう覚えていた。
記憶力、半端ない。