初恋のお兄さんと私
第一私は、再会した日、初恋の人だということも、すぐに気付かなかった。
いくら外見が変わったとはいえ、本当の中身まで変わるはずないのに。
私は顕奘さんという人がわからなくなっていた。
大人ってなんだろう。
その後も、すっかり元気をなくした私を元気付けようと、七海くんはいろいろ気を使ってくれたけれど、
「…一人にして……」
それだけ言うと、道場にも寄らずに帰った。
こっそりと覗いてみたかったけれど、また七海先生がいたら。