初恋のお兄さんと私
胸が。
胸が痛い。
張り裂けるようにズキズキする。
涙が溢れた。
屋上に向かって階段を駆け上がる。誰もいないところで思い切り泣きたかった。
「榛葉!!」
振り向くと顕奘さんが追い掛けてくる。
「来ないでください!!」
声が震えた。
舌打ちすると、二段飛ばしで駆け上がってくる。
「先生、何してるんですか??」
上から踊り場に降りてきた七海くん。
私を黙って抱き寄せると、そのままキスされた。
突然のことに、驚いて固まる私。
「なん……!?」
顕奘さんも一瞬、固まった。
口元をひきつらせて、駆け上がる。
「てめえ……何して…、離れろよ!!」
「私!!」
思わず叫んだ。
「七海くんと、お付き合いします」
「なん……??お前、何言って」