初恋のお兄さんと私
倒れた
疲れも出たのか、風邪でダウンしたらしく、顕奘さんが学校を休んで5日が過ぎた。無理してダブルデート来てたんだ。
家には居るらしいけれど。
あれから行きにくくて、お母さんや顕さんから様子を聞いたくらいだった。
「やっと邪魔者がいなくなったね!?」
七海くんがベッタリ密着して逆撫でしてくれる。もはや暑苦しい。
「大丈夫かな」
落ち込む私に、
「ただの風邪なんでしょ??すぐ治るって」
他人事だな、と改めて気持ちが冷める。
「美夏さんもお見舞いに行ってるみたいだし。すぐよくなるよ」
返って悪くなりそうだ。
なんだか、いないのが寂しい。
当たり前のように四六時中いたのに。
今日でも帰りに寄ってみようかな。でももう、嫌われちゃったしな。
「次、授業、調理実習だよ」
栞奈に言われて思い出す。
作る前からもうヨダレが出そうな勢いだ。
「あっ、そうか。急がなきゃ」