初恋のお兄さんと私
そして、七海くんがトイレに立つと、また壁ドンされた。
「いや、あの、えっと…」
「お前もお前だ。なんだ俺が帰って来た途端、モテ期到来みたいに他の男とばっかりイチャイチャしやがって」
ふて腐れる。
こんな顔するんだと驚く。
「気にしてねえとでも思ってんのか!?……しかも、あんな奴と、に、2回も、き、キスしやがって、それも俺の目の前で」
口にするのも嫌そうに。
壁に押し付けられたまま。
「……どストライクに成長しやがって…」
ついでにボソッと。
「えっ…そうなの???てっきりお子さま扱いされてると」
「んなわけあるか!!…だから今まで彼女、作らなかったんじゃねえか」
「……ホントに、そうなの??」
「…ていうか、コクられたことも、惚れたこともねえけどな。俺はこんなんだから」
「こんなの、ですね確かに」