初恋のお兄さんと私
「来月、結婚することになりました!!」
2ヶ月後。
七海くんは転校し、七海先生は婚活に精を出していたようだ。
それにしても切り替えが早い。
「すごくグイグイ来られちゃって、困っちゃいましたけど」
さっそく成果が出たようで、顕奘さんに真っ先に報告しに道場にいそいそとやって来た。
振られたお返しのつもりか、モテモテアピールが半端ない。
嬉しそうにスマホでツーショットを見せびらかす。
「まだ他の先生方にも言ってないんですよ??みんなの前で言ったら顕奘さん、ショック受けると思って」
「はあ…それはよかった。おめでとうございます」
「少しくらい落ち込んでくださいよ!!もう!!」
「……そう仰られても、あっ、ご祝儀はカンパでしか出しませんので」
「そういうことじゃないです!!逃した魚は大きかったなとか、なんかないんですか!?」
体をくねらせて拗ねる。
「ないですね」
即答だ。
なんだか、ぶりっ子キャラに磨きが掛かった気がした。