『今は平和過ぎて…』

「ハル子? ちょっといいか?」

私は手で妻・ハル子を呼んだ。
家は一階の平屋。
引き戸で立て付けが悪い扉。
緑の木漏れ日が家に降り注ぐ。
門の前には石垣がある。
そんな家が私の家だ。

そんな見た目殺風景な部屋内で、私は呼んだ。
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