『今は平和過ぎて…』
そのまま、左手首にハル子は時計をつける。
最初は、初めてつけるもので戸惑っていたが、私が教えると、すんなりと付けることができていた。

「私の方こそ、ふつつか者ですが、これからもよろしくお願い致します。」

ハル子は言った。

私はひょんなことで、まだ徴兵令が出ていない。
私の友人は全て戦死などで死んだ。
私は、皆よりも長く生きよう。
そして、妻を大事にしよう。
そう思っていた。
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