縁〜サイダーと5円玉と君の靴ひも〜
5円玉の穴
放課後。

用事がある私は、いそいそと帰る素振りで教室を出た。


どうして私がこんなことしなきゃならないんだろう。

冷静な自分が問いかけてくる言葉に、答える言葉も見つからず。

外に出て、空を見上げた。

梅雨明けの空は眩しいほどに青い。

ちっぽけな自分がよけいにちっぽけに思えてくる。


ああ、惨めだ…


なんかよくわからないけど、傷つきたくないのに傷ついてるし。

こんなこと別にどうでも、って思える自分でいたいのに。

どうして落ち込んじゃうかな、私は…


足が家に帰りたがらないので、近所の神社へと向かった。


小さな頃は、在花と琥珀と3人でよく遊んだ神社だ。


ここはずっと変わらない。

この小さな神社で木陰のベンチに腰掛けてぼんやりするのが私の癒しなのだ。

おばあちゃんみたい？


座っていると、よく在花にババくさいって笑われた。


それでも、この場所は私の大切な場所。


いつも通りベンチに腰掛けて、ぼんやりしていると、キラッと光る物体を見つけた。


「なんだ、あれ？」

独り言を言ってはみたけれど、そこまで動くのも面倒で…しばらく見た後、視線をそらした。


それでも、キラッキラッと不自然なほどの輝きに、だんだん気になってしまって遂に立ち上がり近づいてみた。
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