縁〜サイダーと5円玉と君の靴ひも〜
愛紗がどんどん引きずられていく。

どうしよう、ヤバイよね…

このまま陰で見てるだけなのもヤバイよね?


「痛い…やめてよ」


愛紗の顔が真っ赤になってる。


あの人、愛紗をどうする気なんだろう。

いや、わかるよなんとなく、うん。

想像したくない。


誰か通らないの?こんな時に限ってさあ。

ちょっと…どうなの、この状況。


「お願いやめて」

愛紗が泣き出した。

泣くとこんな顔するんだ…笑った顔しか見たことなかった。


「なんで泣くの?俺もずっと我慢してたわけ。愛紗に合わせようと思ってさぁ。でも、いつまで待たせんの?」

いや、そもそも彼氏なの?


この制服からして、ヤンチャな人が多い学校ってことはわかる。

顔は…なんかナルシストオーラが全開のイケメン風…あくまで風。

あんなのと付き合ってんのか、愛紗…

男の趣味、悪くない?


「私、あなたの彼女じゃない!付き合ってない人とそういうことできない」


あ、違うのね…そりゃそうか。


「はぁ?今さらなんだよ、毎日送り迎えしてやっただろ?なのにこそこそ逃げてよぉ」


朝は逃げてきたってことね。


「頼んでないから…」

その一言に男が逆上したのは一瞬でわかった。

愛紗がヤバイ…
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