縁〜サイダーと5円玉と君の靴ひも〜
「ごゆっくり」

にっこり笑って立ち去った。

琥珀の本命はやっぱり莉葉ちゃん。

姉は安心したよ…


「乃々夏、学校にさぁ。サッカーめっちゃ上手い人いるとか聞いたことない?」


「え?」


立ち止まって振り返ると琥珀が、

「俺、小学校の時からずっと憧れてる人いてさ…その人、一回ここ離れて県外にいたらしいんだけどさ。こっち戻ってるらしいんだよ。それが、どうやらうちの学校らしいんだけど…サッカー部にはいなくて」


スポーツセンターで見たちょんまげのことかな…


「スポーツセンターでサッカーしてる人の中にうちの学校の人いたんだよね…その人かも。ただ、学校では見てないのよ、その人」


きょうだいで同じ人探してるってすごい不思議だわ…


「そっかぁ、スポーツセンターか…」


つぶやきながらドアを閉めた。
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