愛しの魔王サマ
「マオさま・・・」
「なんだ」
「よろしいのですか?」
「いいと言っている。一人増えたところで問題はない」
そう言っても不安そうな顔は変わらない。
気を遣いすぎるのは、なかなか変わらんか。
「姉ちゃんになんかしたら絶対にゆるさねぇからな!」
「・・・ふん。最初の凛々しさはどこへ行ったのだ」
「う、うるせぇ!」
顔を赤くして怒鳴るトマ。
こいつは、エマと兄弟のくせにコロコロと表情の変わるおかしなやつ。
賑やかな日々になりそうだ。