愛しの魔王サマ


「マオさま・・・」

「なんだ」

「よろしいのですか?」

「いいと言っている。一人増えたところで問題はない」




そう言っても不安そうな顔は変わらない。
気を遣いすぎるのは、なかなか変わらんか。




「姉ちゃんになんかしたら絶対にゆるさねぇからな!」

「・・・ふん。最初の凛々しさはどこへ行ったのだ」

「う、うるせぇ!」





顔を赤くして怒鳴るトマ。
こいつは、エマと兄弟のくせにコロコロと表情の変わるおかしなやつ。



賑やかな日々になりそうだ。






< 114 / 293 >

この作品をシェア

pagetop