愛しの魔王サマ
ダン!!
机を強く叩き俺は立ち上がる。
「ま、マオさま・・・」
口ごもるアドルフは気まずげに顔を伏せた。
「そもそも、贈り物に人間など選ぶものではないだろうが」
吐き捨てるようにそう言うと、アドルフの側を通り抜け部屋を出た。
息が詰まる。
もう何も考えたくないのだ。
自分が置かれた状況も。
なにかが、確実に変わってきていることも。
「・・・あんな言葉で気が揺れるなど。魔王失格だな」