愛しの魔王サマ


「お前は、本当に変な奴だな」

「ええー?普通だよ!大好きな人と一緒にいられたら、誰だって幸せだし笑顔になりますよ」





大すきな人と・・・。




「好き、とはなんだ」

「好き?んー。その人ともっと一緒にいたいな、とか。もっといろんなことしりたいなとか。その人の笑顔が見たいなって思ったりすること?」

「そういう者となら、例えば、自分の居場所でない場所ででも、生きたいと思うのか」

「居場所でない場所?・・・んー。そりゃあ、もちろん。おれ、まおーさまとなら地獄の底でもついていきますよ!」

「地獄の底・・・、行きたくはないが・・・、そうか・・・」




いや、なにを確認しているのだ。
エマが俺を好いてくれていた確証なんてないのだ。

一瞬、なにを期待したのだ。

それでも。
もし、そういうものではなかったとしても。


もし、エマが本心で俺の側にいたいと言ってくれていたのだとしたら・・・。



「馬鹿げている・・・」

「えー!おれの気持ち、完全否定ですか!?」




馬鹿げている。
そんな都合よくどうして解釈できるというのだ。




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