愛しの魔王サマ


自室に戻り、一人になる。
静かな室内は余計に思考を巡らされモヤモヤと胸を苦しめた。



なぜこんなにも。



モヤモヤし、苛立ちを覚え。
わからない焦燥感に苛まれ。


小さなことに振り回されている自分が酷く小さく思えた。





―――ドクン





突然、心臓が強く鼓動を打ち、グラッと揺れた身体は地面に強く叩きつけられた。
息がつまり、心臓が強く掴まれたような感覚。

チカチカと視界が揺らぎ、意識がもっていかれそうになる。





――力が、欲しい





心の中で。




――もっと、力が





声が。
する。





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