愛しの魔王サマ
②アドルフの想い
私と、初代魔王さまは同じ時に生を受けた。
それになんの意味があったのか。
いまだに、わからずじまいだ。
ですが、そのことに勝手に使命感を受け魔王さまの側にお仕えしようと心に決めたのは私自身の意志でだった。
「私を、魔王さまの側近にしてください」
「勝手にしろ。誰の手を借りずとも俺はこの世界をすべてこの手にして見せる」
強欲で、自信家で、支配欲に満ちた方。
全てを自分のモノにしたいと。
いつでも力を求め、強さを追求する。
そんな、魔王さまだった。
魔王さまを慕い、付き従っていく中で。
私は時折不安に駆られたのだ。