愛しの魔王サマ
そうして、ただの側近でいることを決め幾年の月日が経った頃。
とうとう事は起こってしまったのだ。
魔王さまが、これまで以上の力と権力保持のため、魔界だけでなく人間界までも襲撃を行った。
まるで地獄絵図。
逃げ惑う魔物、人間。
血の海。
魔王さまはただただ楽しそうに魔物も人間も皆殺してしていった。
ああ。
これが結果なのだと。
私が、目を瞑り、なにもしてこなかったその結果なのだと。
「恐れおののけ!もっと力を!もっと、血を流せ!」
魔王さまにたてつくものなど、もう誰もいないと言うのに。
これ以上なにを奪おうと言うのか。