愛しの魔王サマ
アドルフの話を聞いて、自分の事を知って。
俺は、いったいどうしたいのだろう。
あの日から、自問自答を繰り返すが答えなどでてこない。
自室に引きこもり、魔王としての公務も手を付けない俺を、アドルフはこれまでのように口うるさく言うことはない。
むしろ、顔すら見せないのだ。
食事も自室にチチ、トトを使って運んでくるだけ。
部屋に用意しろと言ったのは俺だったが、アドルフも俺と顔をあわせたくはないのだろう。
俺に、話すつもりのなかったことを話して。
アドルフ自身が思い描いていた道筋から外れた。
そんな俺を、もう見捨てたのかもしれない。
考えれば考えるほど、悪い方向へと考えてしまう。
自分が、本当は時限爆弾付きの化け物だったと知った今。
俺ができる事とはなんなのだろうか。