愛しの魔王サマ
「まおーさまは、おれの全てなんですよ」
「・・・何を突然」
「ほんとのことです。まおーさまがいるから俺はいる。言ったでしょ。俺はまおーさまが地獄に行くなら地獄にまでもついていくって」
なにかを察したうえでの話なのか、ただの気まぐれなのか。
それでも、ルカのその言葉は、今の俺にとっては救いのようだった。
例えそれが嘘だとしても。
実際はそんなことがありえないのだとしても。
気休め程度に思えた。
こいつの底ぬけた明るさに、今は少し助けられた。
「お前でも、多少は役に立つこともあるんだな」
「ええ!?なにそれ!今まで役立たずだったみたいな言い方!てか、今俺、なんか役に立つことしました?」
「教えてやらん」
「えー!」